LINE、Twitter、Instagram、TikTok……スマートフォンが携帯電話の主流になって10年、今までガラケーだったときはメールが連絡手段の主流だったのに、気がつけばSNSが連絡手段の主となっていった。ネット上でつながった人たちとも、昔から付き合いがある友人とも、いつの間にか簡単にSNSで連絡がとれるようになってきた。

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昔は相手のメールアドレスを聞いて、メールのやりとりをしては学校でもメールしていた話で持ちきりになることもあった。ただ、進路が異なり違う道をお互いが歩むようになってからは、連絡先からお互いの名前が消えて、新たなコミュニティで生きている友人の背中を何度も見送ってきた思い出もある。
そんな中、SNSの発達により、ここ数年疎遠になってしまった友人たちと再び繋がり、昔よりも交流を深められている現在がある。

遡ること約半年前、新郎新婦が2人とも幼馴染である友人の結婚式で使うプロフィールムービーの作成を担当した。
元はといえば、Instagramで新婦側の友人が結婚したことを報告したのを目にして、私が得意としているムービーで彼女たちのことをお祝いしたことがきっかけだったのだが、かねてからSNSでつながっていたからこそ、スムーズに話を始めることができたり、昔からの友人という間柄を活かして、彼女たちの思いをふんだんに引き出すことのできた作品を提供できたプロジェクトだったのかと思う。
もっというと、新郎新婦のSNSを私が知らなかったら、結婚したことも、式を挙げるという話も知らなかっただろうし、ましてやムービーを作ってのお祝いをしたり作成の依頼なども受けることがなかったと思う。

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また、話は変わってここ最近のことではあるが、SNSでこそつながってはいたものの、最後に会ったのが10年前という友人と連絡がとれ、かなり久しぶりに会うことが出来た。10年前に会ったときは私だけ未成年だったがために、一緒にお酒を楽しむことができなかったのだが、成人して5年以上経った今、初めてお酒をその友人たちと楽しむことができた。
これもまた、SNSでつながっていなかったら10年ぶりの再会も叶わなかっただろう。

年を追うごとにできる顔の分からぬインターネット、SNS上の友人は増えてきたが、やはり昔の友人との繋がりよりは希薄になりがちで、気づけば連絡先の一覧を見ても「誰だったっけ?」となることが大半となり、疎遠になるスピードが速かった。
その代わり、昔の友人とはSNSで久しぶりに出会った人とも多く、そこから今までの疎遠だった関係性がまるで嘘のように、昔と変わらない感覚で、そしてもっと関係が深まっていくことがSNSを通じて多くなってきたと思う。
元から仲が良かった友人はもちろん、そこまで関わりを持てなかった友人ともつながったことで、不思議なことに学生時代で切れてしまった縁が戻ってきたのはとても感慨深いものがある。

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その点、昔からの友人とつながる機会を創ってくれたSNSの発達にはとても感謝している。学生時代にだんだんと疎遠になっていく友人との仲の復活を密かに望んでいたから、実際に形になっていることが嬉しい。
今のご時世、私たちにとって必要なことというのは、新たなコミュニティで創られるつながりはもとより、今まで築き上げてきたつながりを見直し、もう一度、昔のようには戻らなくとも古くからのつながりをSNSを通して復活させるということ事なのかもしれない。