小さい頃から動物が大好きだった私。
ずっと動物関係の仕事に就きたいと考えていたし、"自分はそういう人生を歩むだろう"と謎の自信を持っていた。

そして18歳の春、私はいよいよ夢への第一歩を進み出す。
専門学校に進学したのだ。
初めての1人暮らし、周りには同じ夢を持った人たち。見慣れない景色。全てが希望に溢れていた。

しかし結論を先に言うと、今現在私は動物関係の仕事に就いていない。
どうしてなのかをこれから書き綴っていくが、決して美談でも結果オーライみたいな簡単な話でもないのであまり期待しないで読んでもらえたらと思う。

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以前、他の記事で"うつになった"と書いたことがあるが、それがまさに専門学校時代の話なのだ。
カットの授業の時、私は爪切りを失敗した。その時の「キャン!」という悲痛な鳴き声が忘れられず、私は学校に行けなくなった。

大好きな動物を傷つけてしまった自分が許せなくて、「私には向いていない」「動物のために自分はいない方がいい」と学校に行けずにずっと家で考え込む日々。
そして、学校に行けない自分のこともまた責め続けていた。

朝起きて出る準備までは出来ても、出発する時間になると腹痛や吐き気に襲われた。なんとか学校の前まで行けても、あの時のことがフラッシュバックして足が震えてしまい、中には入れなかった。毎日毎日「なんで私なんかが生きているんだろう」と泣いていた。

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そんな私を心配して「病院に行こう」と言ってくれたのは母だった。母なりに口コミなど見て、評判の良いところを探してくれていたのだ。
そこでようやく自分がうつ病だということが分かった。

(すでに休んでいたのだが)しばらく学校を休むことになった。慣れない投薬の副作用で、一時期布団から出ることも出来なくなったが、学校の先生は連絡を取ってくれて、「私だって最初の頃やったことがある。そんなに大きなミスじゃないのよ」と何回も伝えてくれた。
今なら先生が言っていたことを理解できる。
ただ、当時の私には逆に重く伸し掛るだけだった。ますます自分が許せなくなり、結果的に私は専門学校を中退した。

それから暫く過ぎて、私は仕事ができるくらい復活した。
写真スタジオでアルバイトを始めた。子供たちと触れ合う度に穏やかな気持ちになっている自分に気が付き、「子供関係の仕事なら向いているかも」とぼんやりと考えるようになった。

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その後児童クラブで働き始め、スタジオに来ていた子供とプライベートの子供とのギャップに衝撃を受けることになる。
しかし後悔したのも束の間で、いつの間にか「これは私に凄く合ってる」と思うくらいにやり甲斐を感じるようになっていた。

そしてこの春から、私はまた新しい1歩を踏み出した。
さらに子供たちの深く関われる児童指導員の仕事に就いたのだ。
慣れない仕事で毎日大変だが、自分でとことん考えることができて学ぶことも多く、なんだかんだ充実している。

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小さい頃に抱いたあの夢があったから。
思い描いていた未来とは全く違った。こんな人生になるなんて思ったこともなかった。でも私は今こうしてやり甲斐を感じる仕事に就くことができている。
しかしこれは先程も言ったように美談ではない、何故なら沢山の人に迷惑をかけたからだ。

まずは、先生と専門学校時代の友達。今はもう連絡を取っていないがとても感謝している。
そして両親。病院を探してくれた母と中退すると決まった時に私を責めなかった父。感謝してもしきれないくらいだ。

これからの人生をかけて親孝行していきたいと思う。
無事にうつから抜け出して仕事に就くことができ、こうして親孝行を考えられるのもきっと"あの夢があったから"なのかなと思うと、今は今で良い未来なんじゃないかという気になる。

今年の両親の誕生日、何をあげようかなぁ。