多くの人たちは、人並みの見た目までしか認められないし、人並みの努力までしか認められない。私は女性として22年間生きてきてそう思う。痩せすぎていると「ガリガリすぎてキモい」と言われ、太りすぎていると「努力しろよデブ」と言われる。鼻が低いと「ブサイク」と言われ、鼻が高いと「整形顔」と言われる。人並み以上でも以下でも指摘の対象になる。結局、人並みで平均的な見た目しか受け入れられない。

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人並みの見た目までしか認められない上に、人並みの努力までしか認められない人たちに私は数多く出会ってきた。それは、7kgのダイエットを成功させた時だった。きれいに痩せた私の変化に、「どうやったら、ダイエット成功するの?」と聞く人は多かった。

ストイックな努力をよく思わない人が存在していることをまだ知らなかった私は馬鹿正直に答えていた。「食事は脂質を制限して、カロリー計算してたかな。運動は、毎日2時間の有酸素運動と、ウエイトをかけた筋トレを部位ごとに毎日ローテーションを1年間続けたら痩せたよ。筋肉つけながら痩せたからきれいに痩せれて大満足だよ」と。

その答えを認めてくれる人は確かにいた。でも、「ストイック過ぎて正直引くわ……」「え、じゃあ服の下はマッチョってこと?女子がマッチョなのは無理かも……」と言われることも少なくなかった。

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家族からも「そこまではちょっと……」という内容のことを言われたことがある。人並みの体重になりたくて、人並みに洋服を着こなしたくて、努力してきた。だけど、認めてもらえない。苦しくて苦しくてたまらなかった。この時私は、「筋肉のついた女性は人並みじゃないんだ」「人並みの体重になれても人並みの努力じゃないと努力って認めてもらえないんだな」と気がついた。

私のダイエットも人並みからは外れているかもしれないが、まぎれもなく努力だった。そして、整形も1種の努力だと私は思っている。多額の整形費用も、自分の稼いだお金でクリアしているなら努力だと思う。リスク面やダウンタイムだって、つらいのは施術を受けた本人。

そのつらさを乗り越えていることを考えると努力だと思う。そもそも、施術を受ける前に、たくさんの症例を調べ、たくさんの医師を調べている時点で、整形は努力のかたまりだと思う。

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今回、私は食事制限とストイックな運動で痩せたが、運動とは真逆の脂肪吸引で痩せていたら認めてくれたのだろうかと疑問に思う時がある。だが、考えることをすぐにやめてしまう。どうせ、それも否定されるだろう……と諦めて。脂肪吸引を公言しているインフルエンサーたちのコメント欄には「脂肪吸引はズル」「脂肪吸引に頼っていて自己管理能力低そう」など、否定的なものが目立っている。美容整形は、金銭面も、リスク面も、人並みの枠に収まらないから努力と認めてもらえないのだと感じた。

私は今の社会がすごく生きにくいと思う。誰もがなりたい自分を持っている。あこがれる容姿を思い描く。それを叶えたいと思うことは自然なことだろう。そして、叶えるための努力はどれも素晴らしいことだと思う。だが、今の世の中は努力の種類によって否定をする。認められる努力と、認められない努力がある。本当にそれでいいのだろうか。

セクシャリティの多様性や、働き方の多様性など、様々な多様性を認めるようにと社会は動き始めている。多様性を求める人たちが声を上げている。その声で社会は変わろうとしている。だから私も、声を上げる。「努力の多様性も認められるべきだ!」と。