私のロールモデルは、仕事を楽しんで過ごしている人である。仕事は人生の大半を占めるもの。しなくては生きていけなくて、生活のためにも必要な手段だ。しかし、どこかしらに不満や物足りなさを感じて仕事をこなしている人が多く、自分もそのひとり。仕事が楽しい、ずっと続けられる、と自信を持って言える人がうらやましくもあり、そうなりたいと思う。

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今の私に辿り着く前、ひとりの女性と出会う。前職をやめ、ご自身でビジネスを始めて起業した人だ。その人は、前職をやめたことについて後悔はしていないと言った。むしろ今のほうが楽しいと。仕事をしているときを楽しめると、自然と結果もついてくる。ゆとりのある自由な働き方、プライベートの過ごし方ができるようになったのだとか。多くの人は趣味に楽しいという感覚を費やすが、仕事に費やせるのならば最高だと思った。

私が出会ったときは、前職では自分の存在意義について悩んでいる時だった。若輩者として社会人経験は必要だけれども、自分にとって職場は苦しい場所だったのだ。仕事をこのまま続けていても、同僚や先輩のように楽しくやりがいを持って仕事ができないと考えた私。職場を、職業を手放す選択肢が日に日に大きくなっていった。そして、手放した。

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まずは形だけでも作りたいと、その方にスキルを教わることにした。考えに賛同でき、仕事に対する考え方を変えられると思ったからである。前職とは全く違う仕事であったことも理由として大きい。かすりもしないフィールドで、新しく始めたいという条件もクリアしていた。

見よう見まねでやってみる。手順も、わからないところもたくさんあったが、なんとかできた。ここからは自分次第。まだ完全には退職していなかった私は、ガッツリ儲けを出すわけには行かず、慎重に進めることにした。とはいえ、すぐに結果が出ることはなく、今も準備期間を続けているに等しい状態ではあるが。

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アドバイスを受けながら、無理のないペースで伸ばしていくスキル。ゆっくりすぎる成長ではあったけれど、通勤をして仕事をしてクタクタになるよりもはるかに満足度は高かった。これを本業にできたら、自分がしたいと思っていることすべてが叶うかもしれない、と希望を見いだせた瞬間でもあった。

今もお世話になっている方で、ステップアップをしたときは報告をさせてもらっている。ステップアップをして、小さなことでも喜びを感じられる瞬間は、続けていて良かったと思える瞬間だ。これからは、満足できるまで稼げるように、急成長させていかなければ行けない時。始めてからだいぶ年月が経っている。

結果も出していていい頃なのだから、さらに努力をして、作戦を練って、計画を建て直さなければ行けない時期。彼女のように、楽しさを噛み締めながら仕事が続けられるようになりたい。楽しいがほとんどを占める仕事ができたら、きっと人生も楽しくなるだろう。さまざまな折り合いもつけられて、納得した生活が送れるのではないかと思う。

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今はまだ、彼女の足元にも及ばない小さな自分だが、ロールモデルとして憧れ続け、いつかは肩を並べたいと思う存在だ。彼女がいたことで、私が自分と向き合い、続けられると思った仕事と出会うきっかけとなった。その分野で成功している彼女から教わることで、自分にもできるかもしれない、と思えるようにもなった。

リスクを恐れて1歩が踏み出せない私だが、やってみようと思えたのは彼女だったから。前職はやめたけれど、彼女と同じく、やめたことに後悔はない。むしろ、やめたことで自由になれたので、良かったと思っている。これからも、仕事は続けていく。「楽しい」を最優先に、今よりも環境やまわりが良くなっていることを期待したい。今よりもっと楽しくて、仕事が好きになっている自分でいたいから。