いきなりですが、私、秋が最近苦手なんです。最近というのは、社会人になってからのここ数年です。何でかなって自分で考えるに、社会人1年目の秋が私にとって大きな節目の季節だったからだと思います。これを「トラウマ」とも言えるし「転機」とも言えるし、とにかく自分の在り方が変わったときでした。

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社会人1年目。人にもよるでしょうが、挫折を経験し、苦しい想いをする人も少なくないと思います。私もその1人。というか、「挫折」なんて言葉で済ませたくないほどの、「生きるか死ぬかの瀬戸際」を味わいました。

4月1日から始まった社会人生活。3日目には泣きました。少ない休日は泥の様に眠り、疲れが全くとれないまま新しい1週間の始まり。「通勤途中で襲われたりしないかな…」などと、もうすでに手遅れな感情を抱く日々。そんな感じでなんとか細い糸で耐えてきたのがぷつっと切れたのが、忘れもしない10月30日。出勤しようと家の玄関のドアノブを握った手がどうしても離せず、握りしめながら嗚咽しました。

それでもその日は無理やり出勤。次の日の朝も同じようになり、ようやく「病院行こう」と思えました。そこからはもうどんどん崩れていって、人ってここまで痩せるんだな、くらいのガリガリになり、それでも仕事に行き続けた自分は今考えるとやばい。仕事休んでも世界は回るってこと、誰も教えてくれなかったんだもの。

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今では自分の「アイデンティティ」とすら思えるようになったうつ病。病気とも長い付き合いになり、薬を飲んでたまに病院に行きながらも、自分らしく生活をしている今の自分が結構気に入っています。病気をどれだけ憎んだか、悔しい想いをしたかわかりませんが、今は上手く付き合えている気がします。自分を大切にできるきっかけをくれた経験としても悪くないなって。

でも、秋になると身体が思い出すのでしょうか、そこそこな毎日が一気に落ちてしまうんです。わかりやすく気分が落ち込むときもあれば、熱が出たり、ごはんが食べられなくなったり、体調が悪くなることも度々。

そもそも秋は、どんどん日照時間が短くなって、うつっぽくなりやすい季節だと言われています。太陽の力ってすごいですね。季節の変わり目は体調も崩しやすいし、新年度からの溜まった疲れが溢れたり、夏の暑さによる疲れで風邪を引いたり、実は秋ってそういう季節。でも「食欲の秋!運動の秋!読書の秋!みんなはどんな秋にする⁉」みたいな世間のテンションに、毎年「はぁ」となっているのは私だけじゃないはず。

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だから今年こそ、「落ちない」秋にしたいんです。低空飛行でもいいから、墜落は避けたい。せっかくおいしい季節ですから。涼しくて雅な季節ですから。紅葉だって楽しみたいし、秋の夜長にのんびり本を読むのもいい。はりきって何かをするわけではなくて、元気もりもりを目指すわけでもなくて、心地よくだらりとした秋を過ごしたいのです。だらだら上等。動画でも見ながら蒸したサツマイモをもぐもぐ食べるのが楽しみです。