元彼のプロフィールに出た曲は、私とは正反対の女性を思う歌詞だった

らうん

2023/08/30

SNS事件簿

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好きな食べ物はなんですか？

ド定番の質問です。
初めて会った人に対しても。深く知りたいと思う人に対しても。インタビューの席でも。何気ない日常でも。

混浴文化を通して学ぶ社会学は多様性を考えるヒントになるはず

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私は、この質問に答えるのが苦手です。食べ物だけではなく、好きな色は、好きな場所は、好きなブランドは……といったこの手の「好きな○○」を尋ねられるのがイヤです。
なぜなら、自分の性格や本性、嗜好を暴かれるような気がするから。
ラーメンが好きだと答えたら、女の子らしくないと思われるのではないか。ピンクが好きだと答えたら、ぶりっ子だと思われるのではないか。俳優の○○が好きといえば、メンクイだと思われるのではないか。
自意識過剰なのは、自分でもわかっています。それでも、自分の「好き」を答える時に少しだけ躊躇してしまうのです。

「好きな音楽はなんですか」と問われたら、どう答えたら無難な回答になるかを、しばらく頭の中で考えてしまうと思います。
クラシック音楽は好きだけれど、そう答えたらお高く留まっているように見られるだろう。かと言って流行りのJ-POPを答えたら、ミーハーだと思われるかもしれないし、洋楽を答えたら、見栄っ張りだと思われるかもしれないし…。

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そんな私とは違って、自分の好きな音楽を他の人に向かって発信していきたい人もいるようなのです。

”LINE MUSIC”

これは、定額で音楽が聴き放題になるサービスです。音楽を聴いて楽しむだけではなく、好きな曲をLINEアカウントのプロフィールのBGMに設定することができます。
つまり、自分の好きな音楽をLINEの「友だち」に向かってアピールできるのです。
このサービスを使う勇気は、私にはありません。なぜなら、他人から尋ねられてもいないのに、自分の好きな音楽を、あらゆる人に言いふらすことと一緒だからです。

私は考えすぎなのでしょう。LINEのプロフィール曲が、その人の本性、性格、思考に直結している訳ではありません。
それでも、LINEのプロフィール曲で、自分らしさを表そうとしている人も、ある程度いるはずです。

私には、LINE MUSICにその人らしさが表れると考えてしまうからこそ、はしたないクセがあります。他人が設定したLINE MUSICの曲の歌詞を調べるというクセです。
特に気にしてしまうのが、元カレの選ぶ曲。

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数年前に別れた元カレとは、今はまったく連絡しませんが、LINEの「友だち」として登録されてはいます。もしかしたらまた連絡が来るのではという、微かな期待を捨てきれていません。LINEをブロックして、元カレのアカウントを見ないように削除する、という一歩を未だに踏み出せないでいます。
そのため、LINEの「友だち」の一覧には、まだ元カレの名前が居座っているのです。その脇には元カレの設定したLINE MUSICの曲名が表示されています。

そこに最近設定されていた曲は、ちょっと激しめのテンポの、私の知らない洋楽でした。
男性目線で書かれた歌詞で、都会の洗練された女性に想いを寄せる、といった内容です。

本人にはそんなつもりで選曲した訳ではないのかもしれません。しかし、この歌詞に、元カレの今の状況や考えが、反映されていると、思ってしまうのです。
つまり、私は、現在の元カレは、センスのいい知的で落ち着いた女性に対して、恋しているのでは、と想像してしまったのでした。