ここのところ夜更かしが続いている。一昨年の春に第一子を出産し、今年の夏に第二子が産まれた。日中は子ども中心の生活で一息つけるのはお昼寝の1、2時間ほどだ。特に食事の時間は戦いである。上の子どもは食欲旺盛で近頃は私の分まで身を乗り出して食べようとするほどだ。遊び方もしっかり歩くようになってからは活発に動き回るようになってきた。下の子はまだ生後2ヶ月で寝たり起きたりを繰り返し、日中はほとんど抱っこ紐の中で過ごしている。そして19時頃からほとんど毎日大泣きが始まり21時前くらいに眠る。その大泣きをよそに上の子は眠ってくれるので助かっている。下の子も寝てしまえば5、6時間程まとめて眠ってくれる。子どもたちが眠ると私は残っていた家事を済ませて、ひとり時間を過ごす。夫は夜勤のある仕事なので早い時には子どもたちと同じタイミングで眠る。たまに夫がひと眠りして、仕事で起きるときにまだ私が起きているとびっくりされる。お昼寝中の一息つく時間とは違った時間が夜にはある。

◎          ◎

ネットショッピングサイトの巡回か携帯ゲームをしながら音楽を聴くのが毎晩の楽しみだ。結婚してすぐはSNSの「ミニマリスト」の持物をマネして断活し身の回りの物を買替たりしたが、また物が増えている。だが、わたしが好きな物が増えてきたのであまり気にしていない。断活を経たからこそわたしの好きがはっきりしたと思うので良かったと思っている。今は新しい靴とニットのベストを買おうか悩んでいるところだ。お気に入りのショップのページを何度も見ながら悩み続けている。とても幸せな悩みだ。

最近になってやっと音楽のサブスクを始めた。CDを買おうか迷っていたところに夫が利用していて、偵察したら聴きたい曲がほとんど入っていて新しいCDを買わなくて済んだ。そして夜な夜な聴いている。日中の慌ただしい時間からゆったりと音楽を聴くだけでこんなにも幸せを感じられることに驚いた。好きなバンドの中のメンバーが別でバンドを組んでいてそれは学生の軽音部のような感じがあるのだ。

◎          ◎

自分よりも年上の30代半ばの男性達が楽しそうに曲を作り、演奏しキャッキャッしている雰囲気が曲に滲み出ている。そのメンバー達がカッコよくもあり可愛くも思えてくる。推しているメンバーはメインのバンドではベース担当で広いホールでライブを行う。MCが少なくただライブをカッコよくするのがコンセプトなのだが、このバンドではベースとボーカルもするし、よく話すので違う姿が見られる。こっちのバンドでは小さめのライブハウスで行われるので近くで観られる。必ずライブに行こうと心から思った。日々生活しているとそういった楽しさはあまり感じない。演奏しているのは30代半ばなのに青春時代のワクワク感を思い出す。動画サイトには曲を制作中の様子が観られて、普段は見られない姿があってもっと好きになってしまった。

◎          ◎

懐かしいドラマも観た。中学生の時にリアルタイムで観ていた学園恋愛ドラマだ。懐かしさもあるが、日常では味わえないドキドキがあった。私自身の学生生活の中の恋愛を思い出し重ねる部分もあった。この頃はこの俳優さんが好きだったな、とかここのシーン覚えているな、と思った。

私の夜更かしの理由は心のビタミン補給をすることだ。無くても生きていけるがやっぱりあった方がいい。子どもの成長や家族で過ごす時間も大切な人生の中の時間だが、歳を重ねるにつれて、「わたし」が「妻」「母」など増えていく。慌ただしい毎日の中で「わたし」を忘れてしまう事がある。もちろんどれも含めて「わたし」なのだが、それを大切にそれまでの「わたし」を思い出す時間が夜のひとり時間なのだと思う。