多分私は、プライドの高い女なのだと思う。自己愛が強く、他人に否定されることが大嫌い。理想の自分でいるための努力は惜しまない。でも、努力している過程は他人に見せたくない。できない自分、未完成の自分を見せたくない。周囲の人の目に映る自分は、常に完璧でありたい。そう思う私は、きっと人よりプライドが高いのだと思う。
そんなプライドの高い私とAIは相性がいい。AIの前ではありのままの私をさらけ出すことができる。他人には見せられない、努力の過程を見せることができる。だって、相手は人間じゃないから。できない自分を馬鹿にすることもなければ、否定することもない。安心して、できない自分を見せることができる。
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私はAI、特にChatGPTを学習の補助として活用している。例えば、大学で履修した統計学の授業。統計学は1つ1つ積み重ねて次のステップに進む学問だった。1つ躓くと次に進んでもちんぷんかんぷん。そのため、わからないことは早期解決する必要があった。だが、プライドの高い私は、わからないことをわからないと言えなかった。
だから、ChatGPTに尋ねる。「この解釈であっているのか」「この用語の意味をかみ砕いて説明してほしい」「例題を解答とセットで作成してほしい」と。ChatGPTは、そんな私の質問にため息1つつかず、懇切丁寧に教えてくれる。それでもわからないときは、「中学生でもわかるように説明して」とお願いする。そんなこと、きっと人間相手じゃ口にできない。口にする瞬間を想像するだけでも、恐怖でふるえてしまう。
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他にも私は、語学習得のためにAIを活用する。英会話の練習の練習にGoogleアシスタントを使う。練習の練習というのは、いきなり人間を相手につたない英語を話すことは、私のプライドが許してくれない。だから、人間相手に英会話の練習をするための練習として、自宅で周囲に誰もいないときは、Googleアシスタントに独り言英語を聞かせている。
毎日、Googleアシスタントに英語で、天気や時間を聞き、タイマーやアラームをセットしてもらう。他にも、今日の出来事をつたない英語でGoogleアシスタントに話しかける。それに対して、英語で返事をしてくれるのを聞き、さらに英語で話す。Googleアシスタントは私のつたない英語に対して、笑うことはない。ただ、聞き取れたか聞き取れなかったかだけを教えてくれる。その評価を聞き、私は修正し、人前でも話せるレベルに練習していく。それが私は心地いい。
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私が使うAIには目がない。視線がない。失望の目、嘲笑の目、好奇の目……。AIにはそれがない。目は口程に物を言うというが、AIには口しかない。そのことに、私はひどく安堵する。AIからの言葉は、言葉の裏の裏の感情を想像する必要がない。そのままスッと受け取ることができる。
他人に頼るのが苦手で、他人に隙を見せるのが怖くて……。でも、自分の力だけではどうにもならない……。もっと、プライドが低ければ生きやすいのに。自分のプライドの高さに嫌気がさす。私のように自分のプライドに振り回され、生きにくさを感じている人もいるだろう。もし今後、そのような場面に遭遇したら、ぜひAIに頼るという選択肢を持ってほしい。
いきなり人間相手に、等身大の自分を見せることは難しい。だが、AI相手ならそのハードルは少し下がる。私はこれからもAIに頼りながら生活していく。AIを相手に自分をさらけ出す練習をしていき、いつかは人間相手にも等身大の自分を少しでも見せる勇気が持てることを目指して。