「周りに甘えず、できることは自分でやる」。

そんな生き方をしてきたからか、周りからいつも頼られがち。小学校からの親友Kちゃんのお母さんからもお墨付きをもらうほどで、Kちゃんと出掛けるときは「しっかり者のみちるちゃんと一緒だから大丈夫」とかなり信頼されている。
一方、私自身はというと、なかなか誰かを頼ったり甘えたりといったことが苦手。昔、いじめに遭っていたことが原因で「もっと賢く、(人として)強くならなきゃ」と、自分に言い聞かせ続けてきた。努力の方向性が合っていたのか分からないけれど、気づいたらある程度のことは自分でやってしまう状態になっていた。

もちろん、たった1人で生きてきたわけではないし、自力では絶対に無理だと気づいた時点で助けを求める。さっさと誰かにやってもらえば早いけれど、「もう少し頑張ればできるかもしれない」と諦めずに取り組んでしまう。

そんな自分を粘り強くていいとも思うし、ちょっと損な性格だとも感じる。

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たとえば、恋愛。どちらかというと、受け身で大人しいイメージの私。だけど、だんだんと真面目な部分が出てしまうせいで、「隙がない」と言われがち。

私は、それが本当に嫌だった。本当はきっと隙だらけだし、真剣なようでボーッとしてしまっていることだってある。「限界まで自力で頑張る」と自分にかけた呪いに、ずっと苦しんでいる。
「何でもできてすごいよね」「結婚しなくても生きていけそう」と言われるたびに、内心かなりイラついてしまう。「何も知らないくせに」と言い返したくなるのを抑えて、私はいつも「えーそうかなー?」と苦笑いしている。本当の私をなかなか知ってもらえないのがつらい。

恋愛以外では、忍耐と粘り強さで乗り切れるのに、恋愛になると最後まで頑張れない。相手のことを知るたびにAIのように情報を頭に叩き込み、それを一生懸命思い出しながら次の会話に繋げる。

その繰り返しに疲れてしまい、自分だけがこんな思いをしているのが馬鹿らしくなって諦めてしまう。

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でも、いつまでもそんなことは言っていられない。こんな私にも心から好きな人ができた。できることから少しずつしてきた。ただやっぱり、自分だけでは上手くいかない。脈もなさそうだし、余計に気持ちが暗くなっていく。
若干諦めモードになりながら悩んでいると、Kちゃんが「私にできることないかな?」と言ってくれた。恋愛経験の少ない私と比べ、経験豊富なKちゃん。彼女と一緒なら頑張れるかもしれない。

昔から色んなことで、私がKちゃんを助けることが多かった。でも、今回は私がKちゃんを頼る番のようだ。私は迷うことなく「ぜひお願いします」と即答した。

恋愛を進展させるために誰かを頼る道を選んで、私にはKちゃんという心強い味方ができた。色んな作戦を考えてくれて本当に頼もしい。彼女の友人には恋愛マスターがいて、その子もアドバイスをくれるので、たくさんのことを学ばせてもらえて感謝している。

私はもう1人じゃない。頼ることを決めた時点で、かなり気持ちが楽になった。自分だけで何かをすることにこだわらず、もっと力を抜いて頼ったり甘えたりしてみてもいいのかもしれない。ワクワクしながら応援してくれている母の期待もちょっぴり背負いつつ、私の恋を成就させるために頑張ってみようと思う。