私はこの春、社会人になった。
新しい家に引っ越して1人暮らしを始め、家賃も光熱費も全て自分で支払うようになった。
通い慣れた通学路や街並みとはおさらばして、新しい街、まだお互いを知らない同期や先輩と毎日長い時間を共にする日々が始まった。

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人も環境も、自分自身も180度変わったーーと思いきや、そんなこともない。それほど大きくは学生の頃と変わらない気がする。
強いていうなら、学割が使えなくなってしまったことくらいだ。カラオケで友達と一晩中卒論を書いていたあの頃が懐かしい。一番安いところで1人330円で籠もれたが、今では2時間いるだけで3000円ほどする。痛い。

それ以外でいうと、社会人になったからにはガラッと大人になったかというと全くそんなことはないし、自分は相変わらず自分だ。

最初こそ始業前や就業後に2、3時間勉強する、という意識の高いことをしていたが、4ヶ月目ともなると朝もう早く起きられない。既に2度すっぴんで出社もしている。
最初こそ気合を入れるもののすぐにその心を忘れて怠惰になる流れは、これまでの私の人生そのものでしかない。

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しかし先日ふと、このままでいいのかと焦りを感じ始めた。

私には、仕事とは別に、やりたいこと・叶えたい夢がいくつもある。

絵や文字の仕事をして本を出版すること(その打ち合わせを純喫茶でする予定)、小道具としてドラマや映画の舞台裏に携わること、それらの仕事を通じて推しの芸能人と一緒に仕事をすることだ。
そして28歳になった時、「毎日が楽しい」と胸を張って言える状態でいたい、というのがある。先ほど並べた夢の途中であれど、夢に確実に近づきながらやりたいことができている感覚を楽しんでいたい。

私は現在23歳だが、逆算していくとそれほど時間がないことに気がついた。
SNSにコツコツと自分の作品を上げ、色々な方に見てもらえる状況までアカウントを育てるには、素人の私には何年かかるかわからない。そもそも人生の多くを費やしても叶えられないかもしれない。夢に近づいていかなければそのことにも気づくことができないし、また別の新たな夢を見出してそこへ向かっていくこともできない。
今の生活を続けていたら、あっという間に28歳になり、「自分、人生何もできてない……」と愕然とする未来が見えている。
そうならないためにはどうしたらいいか??

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「垢抜けは、現実と向き合って自分を受け入れなければ始まらない」と言っている人がいた。それを聞いて、それは人生全体に当てはまることだと思った。

今の今まで私は、PDCAサイクルならぬRJGMサイクルを高速で回してきた。

理(R)想を高く掲げるあまり→自(J)分で勝手に苦しくなって現実から逃げる→現(G)実がちっとも良くならない→ま(M)た逃げる、という負のスパイラルだ。Rとしては、例えば、いつも起きられないのに、明日こそ朝6時に起きよう、と深夜2時に意気込んでみたり、朝しっかり準備をすると1時間半かかるのに、今日は30分でできる気がしてしまったり……。

できない自分を受け入れたくなくて現実を見ず、何の根拠もない理想ばかりぼんやりと思い描いている。そのため、「思ったより早くできた!」という成功体験に乏しく、自己肯定感も低くなってしまう。
自分を怠惰だと言うインフルエンサーもいるが、彼ら彼女らを見ていると、自分の怠惰な部分を受け入れ、その上で自分をうまくコントロールしてコツコツと努力を積み上げられた人が成功しているように思う。

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最近、自分のリアルを知ろうと、生活習慣の記録をつけ始めた。
まずは、自分に向けて自分の取説を作ろうと思う。自分の怠惰な部分や弱さを受け入れ、しっかりと現実と向き合って、1ミリずつ夢に近づいていきたい。