私は、中学校に上がる時に初めてその子と出会った。足がとても早くて、学年の女子で一番だった。第一印象は、色が黒くて、前髪をいつも上げていて、目がキリッとしていて少しこわかった。その子は、がんばることを当たり前にやる子だった。私に映ったその子は、周りを気にせずがんばる人で、動くのが好きで、歌はあまり得意ではなくて、リズム感があるのか踊るのが上手くてキレのある動きをしていた。

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小学校の頃、夢の中にその子が出てきたことがあった。あ、この子だったと気づいたのは、中学年生の時、休み時間に廊下に出ていて、曲がり角の手前で一緒に顔だけ覗かせて、誰かに見つからないようにしていた瞬間だった。その情景が、夢の中の場面とピタッと重なって驚いた。夢を見ていた時は、誰だったんだろうと思っていたから、不思議なことがあるなと思った。

その子のことをすごいなと感じていたのは、体育の授業にいつも始めにするジョギングの時間だった。大抵、めんどくさそうにゆっくり走ったり、本当は足が早いのに一生懸命やらずだるいフリをしたり。中学校の頃って一生懸命やることが少し恥ずかしかったりする時期だったと思う。その中でも、その子は周りを気にせずどんどん前に進み、自分の走りたいペースで走っていた。頑張っていつも走っているから、私もつられて一緒に走った。その時、やっぱり気持ちよかった。

周りに合わせてゆっくり走ったりせず、抑えずに頑張って走ることは、自分がイキイキといられる時だった。そうさせてくれたその子に感謝している。

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中学校の部活は同じ陸上部に所属していた。夏休みの午前練習が終わると、学校から近い私の家にしょっちゅう遊びにきていた。宿題やテスト勉強をする目的で、最初はノートを出すが、結局ほとんど進んでいなかった気がする。体育祭で作る旗のデザインを描く宿題があったのだが、私はデザインを考えるのが得意だったので、その子になりすまして二人分を描いて提出したことがある。
一緒にいる時間が長かったから、部活を引退してから一緒にいる時間が減り、中学校を卒業したらそれぞれ別の高校へ進学したから、とても寂しかった。

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私は、高校でも陸上部に所属した。滋賀県の中学校から京都の高校に上がったので、もともと内部進学で前から所属していた部員、先輩たちのいる場所になじめず、練習も厳しかったので、部活をやめようか本当に悩む時期があった。でも、陸上の大会があると、中学校で一緒に部活をしていたその子に会うことができた。私と同じく京都の高校に進学し、陸上部に所属していたからだ。

会うと、いつも明るく声をかけてくれ、その度に本当に元気が出た。部活を続けていたら、その子に会えるからもう少し頑張ってみようと思い、部活を続けていた。その後、人の先輩が声をかけてくれたこともあり、少しずつ部活の場所に慣れていった。私にとって、その子は、やる気を引き出してくれる存在だったなと思う。

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人は、会う人によって色々な面を出すし、会う人が自分の気づかない面を引き出してくれたりする。
その子に会えてよかったなと思う。
またご飯に誘おうかな。