女の敵は女だって感じたり、でもなんだかんだ言って女のことは女にしかわからないって思ったり。私はまだ女がどういう生き物かわからないでいる。ただ、ひとつだけ言えることは、女は「女」っていうカテゴリーで分類できない生き物だってことだ。

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33年生きてきて、いろんな女に逢った。いい女も嫌な女もいろいろ。生物学上女にカテゴライズされているだけで一人一人全く別の生き物だった。全員もれなく芯を、信念を持っていた。女の取扱説明書はこの世には存在せず、各女に対する個別の対応マニュアルが必要なのだ。これが女なのかなと思っている。おとなしかろうが、人に流されやすかろうが、はたまた我の強さから浮いていようが、女は誰もが自分の信じたいものを信じて生きている。あなただって、おすすめされたものより自分で見つけた好きのほうが圧倒的に輝いて見えているはずだ。

私は女にとっての「カワイイ」は信念だと思う。ぶれることは生きていたら山ほどある。それでも、最後までどうしても捨てられない、変えられない、心にこびりついた「カワイイ」と感じるものを信じてさえいれば、きっとその女は「カワイイ」。私だって今も昔も「カワイイ」女なんだ。

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可愛いねって言われないように、どちらかと言えばかっこいいねって言ってもらえるように、髪型や服装、メイクを選んできた。可愛いものや女っぽいものをあえて避けていた時期もある。今振り返って思うのは、その選択をした私も「カワイイ」し大好きだけど、あえて避けなくてもよかったなってことだ。どうせ似合わないからとか、柄にもないしとか、周りから浮くかもとか、私が女の子だった頃に感じていたことより、自分がいいなって思ったものに蓋をしないことの方が大切だったと今は思う。

でもそんなこと、女の子だった頃の私に言ってもきっと響かなかった。実際今を生きる女の子達に響かなくてもいいとすら思っている。ぶれながら、迷いながら、見失いながら、泣いて、怒って、最後に残った「カワイイ」がどんな形であれ、どんなものであれ、それを信じて生きられる「カワイイ」女しかこの世には存在しないからだ。女の子って名乗りづらくなった頃に振り返ってみて、愚かさに気付くくらいがちょうどいい。

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女の子真っ只中のあなたにはわからないだろうけど、あえて言いたい。女の子でいられる期間って短いよって。だからこそ、「カワイイ」と感じるものに素直に向き合ってほしい。自分が「カワイイ」って感じるものは否定されるかもしれないし、受け入れてもらえないこともあるはずだ。それでも、信じていいし、間違ってない。それを本当に否定していいのは「カワイイ」女になったあなただけだから。

私達は今、限りある時間の中で多すぎる情報の中から必要なものだけを選んで生きていかなければいけない。生きるだけでも一苦労だ。だからこそ、10年後の今女の子でいる人達、そして10年後に女の子になる人達に私は伝えたい。女の子は自分の「カワイイ」にただ素直でいればいいってことを。

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私にはもう少しで2歳の娘がいる。10年後には12歳。まさしく女の子になっている。今布団の真ん中で小さく丸まっている彼女が10年後に信じている「カワイイ」はどんなものだろう。それがどんなものであれ、その「カワイイ」を信じて突き進む究極わがまま生命体として元気に生きていってくれさえしたらそれでいい。10年後の娘が信じる「カワイイ」を否定しないでいられるように、私は私の「カワイイ」をちゃんと信じて大切にしようと思う。自分の「カワイイ」ときちんと向き合うことで、「カワイイ」を否定されたくないのはみんな同じだって気付けるはずだから。

10年後の女の子の為に、私は、私の「カワイイ」を貫ける女でいようと思う。「カワイイ」女の子たちがありのままでいられるように。