「あの時親友になれなかった彼女と友達になる」10年越しの夢

2025年私は親友と友達になろうと思う。「親友と友達になる」これが私の宣言だ。
中学生の時に親友がいた。小学生の時からの同級生だった。中学校に入ってから初めて同じクラスになり会話をするようになった。
お互いに人見知りで教室の中で目立つタイプではなく、口数の少ない彼女と緊張しいの私、少しぎこちない時間を過ごした。それでも、その時間が宝物だった。
教室だと寡黙な彼女はSNSの中だとよく話す人だった。私は人に返信をする行為が苦手で、周囲の人のようにメッセージを軽快に送り合うことが苦手だった。
苦手ながらに彼女との時間が大好きで、いつも時間をかけて文章を考えていた。彼女をきっかけに始まった絵しりとりも、得意ではないながらに絵を描いて送り続けた。その時間が当時の私にとっては、大切なものだったのだ。
ある日彼女からのメッセージに親友という言葉が入っていた。あの日の喜びを私はこれからも忘れないと思う。彼女からのメッセージを見てすぐにスクリーンショットの方法を調べたのを覚えている。
実のところ私にとって彼女は私の憧れの人だったのである。
小学生の頃から彼女が絵の上手い人だというのは学年中に広まっていた。とても長いストレートの黒髪を揺らしながら歩く彼女。おしゃべりな人ではなくて、いつも廊下から彼女が静かに絵を描いている姿を横目に見ていた。
あの時は友達になりたかったのに勇気が出なかった。そんな彼女が私を親友と呼んでくれた時、私は走り出したくなるほど嬉しかった。
だが、私たちの仲が続くことはなかった。私は学校が苦しくなってしまい、2年生の時に不登校になってしまった。約1年後に私が再び中学校に登校するようになるまで、彼女と話すことはなかった。
また登校するようになってから、少しずつ彼女と話す機会ができた。だが、その頃私たちの周囲にいた同級生と彼女の価値観はあわなくなっていた。それに気づきながらも、学校の中で居場所を求めて、声をかけることができなかった私と彼女の距離は離れていった。
卒業する頃には私と彼女は話すことはなく、友達なのかもわからなくなっていた。私は彼女の進学先を知らず、それから私たちは完全に離れた。
今思うと、私たちは親友になろうとして、なれなかったのだ。彼女があの頃どんな気持ちでいたかはわからない。確かに楽しかった時間はあったのに、見栄っ張りな私は、素直な気持ちを話すことも苦しい時に助けを求めることもできなかった。
3年生の時に彼女が言った「親友なのに知らなかった」という言葉を覚えている。周囲の環境だけでなく、憧れていた彼女に素直になれなかった私が親友という関係を崩してしまった。
最近そんな彼女とまたSNSで会話をするようになった。共通の友人を通して連絡先を交換したのだ。同じゲームをしていることを知った私が友人に、彼女の好きなキャラクターを聞いたのがきっかけだった。
友人が彼女と親しくしているのを知っていながら、彼女に声をかける勇気を出すことができなかった私に、彼女の方から連絡先の交換を申し出てくれた。文面だけでも彼女の雰囲気が少し変わったことを感じながら、変わらない優しさや、クールな雰囲気と反するお茶目な面に安心した。
私は親友になれなかった彼女と友達になろうと思う。大好きだった彼女と友達になる夢を10年越しにかなえたい。それが私の2025年の宣言である。エッセイに書くことができるのならば、もう何も怖いことはないのだと勇気を持てた気がする。
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