外側から整えたら、内側が引っ張られて気持ちも前向きになった

私はもともと、どちらかというと“素の自分でいたい”タイプだった。
普段はメイクもナチュラルよりで、服装もシンプル。気合を入れるのってなんだか恥ずかしいし、「頑張ってる感」が出すぎると、自分でも違和感があった。
だけど、ある日をきっかけに、その考えが少しずつ変わっていった。
それは、成人式や卒業式、知人の結婚式などの式典でのこと。せっかくだしちゃんとしようと思って、美容院で髪を巻いてもらって、普段よりしっかりめにメイクして、ちょっと華やかなドレスを着た。鏡に映った自分を見たとき、正直ちょっとびっくりした。「あれ、私ってこんな感じにもなれるんだ…」って。
会場でも、「今日すごく可愛いね」とか「いつもと雰囲気違って大人っぽい!」って言われて、すごく嬉しかった。
ちょっと照れくさかったけど、その日は一日中、気分がふわっと明るくて、自然と背筋もピンとしてた。歩き方とか話し方まで、少しだけ変わっていた気がする。
そんな体験から、「たまには背伸びしてみるのもアリかも」って思うようになった。
少し早起きして丁寧にメイクしてみたり、洋服選びに時間をかけてみたり。ちょっとだけ高めのヒールを履いてみる日もある。最初は「私なんかが…」って思ったりもしたけど、不思議なことに、見た目を整えると、心の中までシャキッとする。自分に自信が持てるようになるというか、「大丈夫、私いけるかも」って思えるようになる。
もちろん、見た目だけじゃなくて、中身も大事。だけど、私の場合は、外側から整えることで内側が引っ張られて、気持ちが前向きになることに気づいた。背伸びって、無理してるわけじゃなくて、「こうなりたい」って思う理想の自分に、ちょっと近づいてみることなのかもしれないなと思う。
前は、人目が気になって自分を出せなかったけど、今はもう少しだけ自信を持って、話したり笑ったりできるようになった。新しい服を着て外に出るだけで、いつもと景色が違って見えたり、知らなかったお店にふらっと入ってみたり。そんな小さな変化が、私の毎日を少しずつ変えてくれてる。
無理して完璧になろうとは思わないし、疲れる日もある。でも、「いつもよりちょっとだけ可愛い私」になろうとすることで、今まで気づかなかった自分の魅力に気づけたり、新しい一歩を踏み出せたりする。背伸びって、自分を偽ることじゃなくて、自分をもっと好きになるためのチャレンジなんだと思う。
せっかく女性に生まれたわけでもあるから、自分の見せ方やあり方にちょっとだけ意識を向けて、背伸びしながら、ちゃんと地に足つけて歩いていきたい。少しずつ理想に近づいていく過程を楽しみながら、これからも「ちょっと背伸びした私」で、新しい世界を見ていきたいな。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
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