人生の節々で変えてきた髪型。次は結婚式の後かな、なんて考えながら

人生単位で見たら、私は黒髪ロングでいることが多い。それでも髪型を大きく変えたことは、何度かある。
高校生のとき、突然髪をばっさり切りたくなった。高校を卒業したら就職することに決まっていたので、がらっとイメチェンするなら今しかないと思った。まだ子供の今のうちだけだと。大人になったら、そんな冒険はできないと思っていた。
だから長かった髪をばっさり切ったのだが、当時流行していたドラマのヒロインと似たような髪型になり、ドラマの影響を受けたと周囲に思われたのが恥ずかしかった。
それから髪を伸ばし続けていた。イメチェンしたくなることもあったが、成人式までは髪を伸ばそうと決めていた。
成人式を終えた私はすぐにイメチェンすることはなかった。それでも数ヶ月すると、なんとなく髪を切りたくなった。そのとき、初めてパーマをかけた。
今までパーマという選択肢はまるでなかった。ストレートヘアばかりだった。会社の知り合いでパーマをかけている人が何人かいて、そこで初めてパーマという選択肢を覚えた。それでもすぐに影響されることはなかった。
パーマをかける決意をしたのは、SNSの投稿を見たのがきっかけだった。私は顔が面長なのだが、パーマをかけると横の印象になり、面長解消されるといった内容の投稿だった。
私はあれこれ調べたり考えたりするのが得意ではない。ネットでいくつかのパーマの写真を見て、具体的には何も決めずに美容室に飛び込んだ。ずっとお世話になっている美容師さんだったので、なんとなくのイメージを伝えてあとはお任せした。
そのパーマがえらく気に入り、かつえらく好評だった。セミロングのパーマという組み合わせで、何年も同じ髪型を続けている。
このままずっとこの髪型だろうと思っていたが、もう一度イメチェンのチャンスが巡ってきた。鬱病と診断され、会社を休むことになった。
当初は休職など絶対にしたくなかった。でも休むしかない状況だった。そんな中私を説得する保健師さんは言った。
「大学行かないですぐ働き始めてずっと休みとかなかったんだから、この際少し羽を伸ばすつもりで休んでみたら」
その言葉が休職を決意する決定打になった訳ではないが、休職を始めてからぼんやりとこの言葉を思い出した。そうか、休んでいいのか。大学生は人生を休んでから、謳歌してから働き始めている。私だって少しくらい休んでいいんだ。
いつまで休職するか見通しが立っていなかったので、これまたすぐに美容室に飛び込んだ。そして毛先をピンクに染めた。
ずっと髪を染めてみたい気持ちはあった。だけど茶髪はなんだか半端だと思っていた。やるなら思いきり派手な色がいい。ピンクとか。
毛先だけに色を入れたのは、復職するときに毛先を切ってしまえばいいと思ったからだ。プリンになる心配もない。時々面談などで会社に行くときはお団子ヘアにしたのでバレなかった。
その後復職支援に三ヶ月間通うことになり、休職期間が長くなることが決まった。ピンクの色がだいぶ落ちていたこともあり、もう一色やってみようと決めた。
その頃好きな声優さんが金髪にしていた。その色がすごく好きだったので、毛先を金髪にした。それがピンクよりも、すごくすごく気に入った。無事に復職が決まり髪を切るときは、とても寂しかった。
それからの私は、ずっと髪を伸ばし続けている。今付き合っている彼と結婚を考えているからだ。結婚式のときは絶対にロングがいい。ロングのほうがヘアアレンジの選択肢がある。今絶賛伸ばしている最中なので、しばらくイメチェンすることは無さそうだ。
次は結婚式が終わったら切りたくなるのかな、なんて考えている。
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