人生一の高価な買物。日頃慎重な私の物欲を呼び覚ました運命の出会い

わたしは日頃から衝動買いをしないように、かなり気を付けている。
具体的には、"欲しいものリスト"をスマートフォンのメモ機能に書いていて、「あ、アレ欲しいかも!」と思ったときや、お店で「これいいな〜買いたいな〜」と思ったときに、その場で買うのではなく、メモするようにしている。
わたしはとても慎重派なので、その商品のクチコミをしっかり調べたい。また、損をしたくないので、スーパーなのかドラッグストアなのかネットなのかや、クーポンがあるかなどをしっかりとリサーチして、1番安い場所で買いたいのである。
これに関しては、かなりタイムパフォーマンスは悪いと思う。しかしながら、「欲しい!」と思ったときにすぐ買っていてはキリがないなと1人暮らしをするようになってから、ひしひしと感じている。
わたしも実家暮らしのときは、かなり物が多かった。それが1人暮らしともなると、実家より家が狭く、収納スペースも少ないため、仮に服を買ったとしたら、衣装ケースも買わないといけない。なんといっても、買うことが1番節約への遠回りになってしまう。
こういう考えから、買い物に対して、かなり慎重になっているのである。
そんなわたしも、社会人になって初めてのボーナス支給日にはかなり浮かれていた。
初めてのボーナスなんて、働いている日数も少ないため、大した額はもらえなかったのだが(笑)、その少し前に兄弟が同僚と行ったアウトレットで、ブランドのバッグや洋服を買ったと自慢された。それも相まって、初めてもらうボーナスは、長く使えるようなブランドのバッグを買おう!と心に決めて、アウトレットに行った。
入店するのに並ばないと入れないブランドもあったが、真夏のアウトレットは暑い外で待機しなければならず、数店舗はふらっと見るだけに立ち寄ることすらできなかった。
20代向けのハイブランドの中では、比較的手が出しやすく普段使いしやすい低価格のお店で、普段の服装とも合わせやすそうなグレーの小さめのショルダーバッグを見つけた。
低価格帯、とはいうもののブランドバッグなので、もちろん数万円はした。アウトレットで安くなっていたことに加えて、その場で会員登録をすればさらに割引きになったので、そのお得感にテンションが上がって、購入しない道はなかった。一緒に入店した母親は、日頃ブランドものは身に付けない派なので、難色を示した。一方、父親は半額だしてくれると言う。
今までの人生の中で1番高価な買い物ではあったが、もうこのバッグと運命的な出会いを果たしてしまったので、家に連れて帰りたくてしょうがなかった。
たんすの肥やしにすることなく、購入から数年が経った今でも、デートや友人と遊びに行くときに何度も使っているし、500mLペットボトルが入らない小さめのカバンに見合うように、荷物は以前より少なくしようと心掛けている。
一度、ハイブランドのものを買ってしまうと、制限が解けてしまい、どんどん物欲は増す一方である。
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