「女は穀潰し」言われ芽生えたコンプレックスのおかげで得た生きる力

60年前から繰り返し言われてきました。女の子だから、跡取りになれないので、穀潰し、と。そのせいで、女に生まれたことが、コンプレックスです。
悔しくて、学業も家事も家業の手伝いも全てやれと言われて、最高のレベルでやってやりました。
おかげで色々な力を身につけました。
理不尽なことを言われて黙っていたら「女だから」と舐められるので、論理的に客観的に言葉を使い説明できるようになりました。言葉で言い返せなくなった相手が、「女のくせに」と言っても、言い返せるようになりました。言葉で負けた相手が、暴力を使っても、対抗できるようになりました。
店番の計算を疑われ無いように、珠算2級を親に取らされました。おかげで計算力を高いレベルで身につけて、学業にも仕事にも役に立っています。
のし紙に墨と筆で達筆でお客様の名前を書けるように、親に書道の段を取らされました。おかげで仕事で教師として賞状に名前などを書くのに役立っています。同僚にも頼まれて、書いてあげられるほどに。
学業でトップクラスの成績を取れと言われました。おかげで地区一番の公立進学高校に進学しました。塾無しで、現役で国立大学に進学しました。奨学金で学費を賄えました。
おかげで女性としては、高収入を得る公立高校の教師になりました。
炊事洗濯掃除を毎日やれと言われて50年以上やっているので、手早くできるようになりました。家業の手伝いをやれと言われ、「遅いことは牛でもできる」と毎日言われました。おかげで手早く仕事ができるようになりました。
女しかいないから、公設のお墓が買えなかったと言われました。民間の利便性の高い、その分値段も高いお墓を買ってあげられるようになりました。
家の財産管理をやれと、親に言われました。おかげで利殖の能力が上がり、お金を働かせられるようになりました。
実家の前の実家の貸家に住めと言われました。おかげで、実家より大きく、駅に近く利便性が高く新築の家を買う決断ができ、自分名義の家を買えました。
婿養子を取れと言われました。おかげで30年前から旧姓を使用し、仕事上のキャリアの断絶がありませんでした。
女だから甲斐性がないと言われたくなくて、お金が必要だと思わせられたおかげで、大きな貯金ができました。それを活かして、生涯働かなくて良い資産を作れました。
コンプレックスは、アドバンテージになりました。
変えられない相手の方はおいておいてください。
コンプレックスを、アドバンテージに変えてください。
今でも女であることは、コンプレックスです。しかし、少しだけ女であることがコンプレックスになるのがマシな社会になりました。この60年間で。諦めずに生きていきます。
あなたもどうですか。
人生100年時代なので、コンプレックスをアドバンテージにしてみませんか。
おすすめです。
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