上野千鶴子先生は「生きている間に男女平等になることはない」と言うけど

私たちの日常生活はミソジニー発言に溢れているし、フェミニズムに批判的な人も多い。
明らかに女性を蔑視、嫌悪したような暴力的なものから、男友達や恋人がなんでもない事のように発言するものも含めて本当に毎日のようにどこかでミソジニーを見るし感じる。
私はフェミニストで、女性も男性と同じく人権があると思っているし、それが当たり前になるべきだと信じている。

ミソジニーをなんとかするのは誰の責任？

明らかに暴力的な女性差別をする人はまず近寄らないのでいいとして、私を大事にしてくれている友達や恋人のミソジニー発言は「なんでわかってくれないんだろう」と本当に辛いし嫌になる。
フェミニストを公言する私に向かって、ヘラっというその発言から見るあたり本当に悪気がないんだろうなと思う。

「ミソジニーに対処するのは私たちの責任なの？」

上野千鶴子さん「ミソジニーに対処するのは私たちの責任なの？」

上野先生は私たちがミソジニーの人たちに歩み寄る必要はないとおっしゃっていたし、確かにミソジニーは私の責任ではない。私が生まれるずっと前からあるものだし、私1人の力でいきなり世界が変わるわけはないだろう。『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』（イ・ミンギョン／タバブックス）にも私たちが性差別やフェミニズムをわかっていない人にわざわざ丁寧に教えてあげる必要はない、彼らは自分たちで学ぶべきとあった。確かにそうだろうけど、でもやっぱり歩み寄った方がミソジニー撲滅への道は近いのでは？と思ってしまう、それともそんなに優しく歩み寄って、「女性の辛さもわかってね？」なんていう甘ったるい姿勢でいるから私はいつまでも舐められているのだろうか？もうわからない。

「ミソジニーな発言って、実は数パターンでステレオタイプなの。ちゃんと傾向と対策を練っておく。今度あのヤローにああ言われたらこう言い返してやるって事前に準備しておくのよ」

上野千鶴子さん「ミソジニーに対処するのは私たちの責任なの？」

この上野先生のアドバイス通り私もある程度相手が「うっ、、」となるような切り返しを考えておこうと思った。いつもは大体何もいえなくて後からモヤモヤして家で叫びそうになっているので。

でもこれは、夜道や相手が数人の男性で自分が1人の時などは怖くて中々難しいと思う。以前、ロンドンで女友達と3人で歩いていたら、夜道で男性からしつこくナンパされたので「fuck off!!!」と言い返したけど、その後怖くて3人で走って逃げたことがある。やっぱりどんなに負けない！と気持ちでは思っていても怖かった。

他にも言い返したかったけど怖くてできなかったことは何度もある。家に帰って「こうやって言ってやればよかった！」とキレる私に対し、家族や恋人は「気持ちはわかるけど本当に危ないから気をつけて」と言ってくるのにも「なんで私が気をつけなきゃいけないの」と怒りとモヤモヤと悲しさでどうしようもなくなってしまう。

今回は聞けなかったけれど、上野先生はどう対応するか、体験談などお聞きすればよかったな。やはり複数人vs1人、男女の体力差はあるので難しいのだろうか。

みんなを変えることはできなくても

「男を変えようと思って教育するのは時間とエネルギーがいるし、その源は愛。愛を持てない相手はほうっておいていいの。すべての人に愛なんて持つ必要ない」

上野千鶴子さんに質問「ベッドの上では男が求める女を演じてしまう」

時間とエネルギー、本当にそう。
私は数ヶ月前に恋人がさらっと言った小さなミソジニー発言をいまだに根に持っているし、思い出してはイライラしている。そして、今度またその話になったら今度はとことん話してやろうとも思っている。今から勉強して対策だ。

私の愛がいつまで続くかは分からないし、「私たちが生きている間に男女平等になることはない」と上野先生も言っていたけれど、私は希望を高く持ちたいと思う。今の私の週に数回はガラスの天井の分厚さに途方に暮れてイライラと悲しみで爆発しそうな日々がいつかは少しマシになり、100年後にはバリバリに割れて壊れそうなIphoneの画面くらいにはなっていて欲しいなと思う。