親に言われた一言が、ずっと胸に突き刺さっていた。年齢を重ねて、あの頃の自分にかけてあげたい言葉、自分で見つけた呪いの解き方をつづったエッセイを紹介します。

① 産まなきゃよかったと言われていた私は、自分のための人生なんてないと思っていた(山田佳苗)

あらすじ)なにもかもうまくできない私が、そのままでいいよと言われることなんてないと思っていた。大人になるにつれ母が私にかけた言葉は周りの言葉で上書きされて薄れていった。

②母を許せないわたしは「産んでくれてありがとう」と言えないけれど(あぷぷ)

あらすじ)小学生くらいの頃から、うちの「しつけ」が他の家の子と違うことは、薄々気がついていた。
友達のお母さんは、皆すごく優しそうで、「こんな子どもいらない、あんたなんか産まなきゃよかった」とか言ったり、わたしの頭を掴んで床を引きずり回したり、真冬に外に追い出したりする人は居ないように思えた。

③「抱きしめて」て言えていたら、幼い私の寂しい記憶はなくなるのかな(いちと)

あらすじ)母親は自分の気に入らないことがあると、私に冷たい態度をとるような人だった。「あなたがそんな子だとは思わなかった。」と言って、母親の機嫌が直るまでご飯を作ってもらえないし、無視をされることがあった。それでも、私は母親が大好きだったのだ。

④呪いをかけたお母さん、それでも私を愛してくれていた(透明にんげんさん。)

あらすじ)高校受験のとき。模試が振るわず志望校の壁を感じて追い詰められたとき、私は癇癪をおこした。だが思った反応をもらえなかったので思わず「私なんて生まれてこなきゃよかったんだ!」と言うとお母さんは慰めるどころか激しく怒った。

⑤兄と弟は可愛がられ、女の私は透明人間。うちは田舎の機能不全家族(四条くくる)

あらすじ)下座に座って食べるご飯、男達が入った後のぬるくなった風呂にやっと入る。そんな田舎で育った女は、透明人間なのだ。

以上、親の呪いの言葉をめぐるエッセイの紹介でした。
「かがみよかがみ」では毎日、たくさんのエッセイを紹介しています。どのエッセイにも書き手の思いがいっぱい詰まっていて、きっと「これは私のことだ!」と共感できる1本があるはずです。ぜひ探してみてくださいね。

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