#04 法律婚? or 事実婚?名字問題はどうする?

皆さんこんにちは。
年末に殆どの身分証明証を紛失し、再発行手続きに追われているどさんこつくしです。

夫婦連載も4回目になりますが、先日弟から「連載してるあれ、毎回読んでるよ」と打ち明けられ、嬉しいような恥ずかしいような気持ちになっています。でも「読んだよ」って言ってもらえるのはなまら嬉しいので、読んでくれた人は「#結婚生活A面B面」を入れて、Twitterとかで感想を是非教えてね…!

今回は「法律婚? or 事実婚?名字問題はどうする?」というお話です。

結婚して妻が名字を変えるのは「当たり前」と刷り込まれていた

詩織との結婚が決まった段階から、制度について二人で調べたり話し合ったりしていく中で驚いたのは、法律婚を選択した夫婦のうち妻側が改姓した割合が96%に上る(厚生労働省の「平成28年度 婚姻に関わる統計」)ということでした。
多少なりとも社会生活に影響を及ぼす改姓というイベントを、ほとんど妻側が行っている現状にとても困惑した記憶があります。

でも思い返してみると、学校で結婚制度の選択肢を教えてもらう機会はありませんでしたし、事実婚というワードを意識して調べたのもごく最近のことです。それほどに、法律婚をして妻が名字を変えるという行為は”言うまでもない当たり前のこと”として刷り込まれてきたんだなと感じるようになりました。

結婚するにあたり、詩織に名字を変えるつもりがないということを聞いた時は、「どちらかが変える必要があるなら別に自分で構わない」と思いましたし、改姓手続きの煩雑さや個人で仕事をしていく上でのストレスは、聞いていてとても納得できるものでした。

片や僕は親の離婚と再婚を経験していたこともあって、名字へのこだわりは殆ど無く、どちらかといえば「つくし」という名前にアイデンティティを感じているタイプ。(よく源氏名ですか?って聞かれる)

実際に自分も改姓手続きを経験しましたが、時間もお金も掛かるのに成果は名字が変わるだけ。結婚時ならまだしも、離婚時の負担は相当なものだったと思います。
(改姓してない人!改姓ってマジで大変なのでパートナーには感謝の肉を奢って!!)

シオリーヌさん、つくしさん
結婚前の写真を探していたら新年っぽい写真が出てきました

事実婚では、法律婚では当たり前の権利が得られない

それに加えて、事実婚を選んだ際のデメリットも、法律婚を選ぶ後押しとして大きなものになりました。

事実婚を選択すれば、夫婦別姓を貫くことが可能です。
ですが、法律婚をした夫婦には認められる各種控除は対象外ですし、生まれた子どもの親権は自動的に妻のみとなり、夫側は「認知」することしかできません。
認知の届出を行うことで、子どもの戸籍には父親として名前が記載されますが、実際に自分がそれを行うことを想像してみた時「自分の子供なのに”認知”なのか…」と、言葉自体への寂しさを感じました。
さらに言えば、どちらかが入院した際の面会や立ち合いが出来ない可能性もあって、それを防ぐために公正証書を取り交わしている人も居るという話も聞きます。

法律婚では当たり前に得られる権利が事実婚では得られない。
ふたつの方法を比べて考えた末に、どれだけの人が苦渋の決断をしてきたのかと思うと、選択的夫婦別姓の実現を願わずにはいられません。

かくして、僕と詩織は法律婚を選んだのでした。

改姓したことを聞いて、一瞬フリーズした知人も

僕が名字を変えたことで聞かれるようになった質問がいくつかあります。

その①「婿養子になったの?」
妻のYouTubeで結婚の話をすると、「じゃあ婿養子になったのね〜^^」みたいなコメントを頂くことがあるのですが、婿養子は「相手方の両親と養子縁組して子どもになること」なので、僕には当てはまりません。
加えて、現代は「入籍」と言う言葉が結婚を指す言葉として使われがちですが、本来は元々ある誰かの戸籍に入ることを指す言葉なので、現代において「婿養子」になったり「入籍」したりする人はあまり居ないのではないでしょうか?
ちなみに我が家の場合は、離婚を経て出来た詩織個人の籍につくしが転がり込んだことになるので、僕だけ入籍した感じです。妻は、結婚しましたが入籍はしていません(ややこしい)。

その②「親御さんに何も言われなかったの?」
僕が名字を変えたことについて、「親御さんには何も言われなかったのか」という質問を時々受けることがあります。
正直その発想自体ちょっと前時代的だなあと思いますが、個人的には法律婚を決める前から「自分の名前だし親に何か言う権利は無いデショ」と考えていたので、両親に相談するつもりは毛頭ありませんでした。
ただ実際に名字の件を事後報告した際は、僕の強い決心とは裏腹に、

「へ〜そうなんだ、二人らしいね!」

と、かなりあっさりした返事で受け入れられてしまったので、拍子抜けしたことを覚えています。

結婚当初は僕が改姓したことを周りに伝えると、「へ、へえ〜!」みたいな反応で一瞬フリーズする知人も何人か居ました。
夫側が名字を変えられることを知らなかったのか、夫が名字を変えるのには何か大きな理由があるんだろうと考えているのか、単に周りで初めて聞いたからなのか。
真意は分かりませんが、少しでも周りのカップルが結婚制度を考える機会になっていたら嬉しいなと思います。

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“性の話をもっと気軽にオープンに"をテーマに、 性にまつわる様々な情報を発信する助産師の性教育YouTuberシオリーヌ。 身体の仕組み、感情や欲求との向き合い方、大切な人との付き合い方、自立について… 学校でも、社会に出ても誰からも教わることができない「性」にまつわるあらゆる問いに、 真剣に向き合い、具体的な知識を伝えるための一冊です。