「結婚、どう思う?」と他人に問われたら私はなんて答えるだろうか。2年前の冬、元々彼と別れた直後の私なら「結婚なんて絶対にしない」と即答しただろうし、今の私なら両手を挙げて「結婚したい!」と叫ぶだろう。

現在の彼との出会いが、ダメンズハンターとしての私の大きな転機

私には、今現在お付き合いをしている彼がいて(勝手に)結婚前提に交際している。これを彼に言ったらどう思われるかは、恥ずかしいのであまり想像したくはないが、思うのは個人の自由なのでそこは許してほしい。今まで決して多いわけではないが、何人か男性とお付き合いしたことがある。その中でも、こんなに私が「結婚」を意識するようになったのは、今の彼が初めてである。

よく「彼氏にしたいタイプと旦那にしたいタイプは違う」と言われるように、やはり恋愛と結婚は別物だと私は思う。旦那にしたい人と付き合えばなんだか物足りなく感じるし、彼氏にしたい人と付き合えば将来が不安でお先真っ暗という始末である。要は「安定か、刺激か」の2択なのだが、好奇心旺盛で生活に刺激を求めてしまう私は常に「刺激」を選択してきた(いろんな意味で)。刺激を求め続けるあまり周囲からは「ダメンズハンター」という称号を与えられ、学生時代の友達と集まれば必ず私の歴代ダメンズあるある話で盛り上がるほどに、常に私の恋愛は身内ネタ化してきた。

「待って、帰ってこれる場所を作っとくけど」と一石を投じた現在の彼

そんなこんなで、ダメンズハンターとして長年活動してきた私に大きな転機が訪れる。それが、現在の彼との出会いである。彼は、同じ大学に通う同期であり第一印象は「絶対にこの人とは仲良くなれないな」という最悪なパターンだった。多くの場合、マイナスからのスタートはプラスの方向にしか向かないので、その後どんどん私の中で彼のイメージはプラスになっていくのだが、当時私には別にお付き合いしていた彼がいた。

その別の彼は年も少し上だったこともあり、自然と結婚についての話題を話す場面も多かったのだが、ある時「私がもし就職して海外に転勤になったらついてきてくれる?」と問うと「それはできないかな。海外に行っちゃう前に一度別れるかも」とさっぱりとした答えが返ってきた。その瞬間、私の中で「この人とは一緒になれない」という思いがよぎった。後日、彼から「唐突な質問だったから焦ってしまった」と誤解を解かれたが、私の思いは変わることなく彼には別れを告げることとなった。

この経験から学んだことは、自分が思っている以上に女性としてのキャリアではなく個人としての仕事のキャリアを重視していることだ。自分のやりたいことを自由にやらせてくれて、たとえ海外に転勤になっても帰りを待ってくれる男性となら将来を考えられるのかもしれない。「そんな男性世の中にいるもんか」と漠然とした妄想を振り払おうとしていた矢先、「俺なら待って、帰ってこれる場所を作っとくけど」と一石を投じたのが現在の彼だった。

結婚前提の交際で、願望はある。でも急いでする必要はないのかな

そして、紆余曲折を得て現在に至るわけなのだが、冒頭でも述べたように結婚を前提に交際しているし、結婚願望もある。しかしその一方で、一緒にいることができるのであれば、将
来子どもができるまでは急いでする必要はないのではないかとも思う。女性にとって結婚は一種の社会的「ステータス」であるが、結婚してありがたいことと言えばこどもの児童手当がもらえるようになることだろうか。そのように考えると、籍を入れずにパートナーであっても二人が一緒にいるという関係性に変わりはない。また、日本社会で長らく議論されている「夫婦別姓問題」についても「一緒にいれてるんだから別々でもいいじゃないか」ととてつもない楽観主義的な見方をしてしまう。

これから社会に出ていく中で、「結婚したい人はすればいいし、したくない人はしなくてもいい」といった柔軟な考え方が広がっていくことを願っている。間違っても、自分のやりたいことのために結婚しない人に対して「なんで結婚しないの?」と問うことがないような、女性のキャリアが結婚によって押しつぶされたり、軽視されたりすることのない社会になってほしい。

最後に一言、言いたい。どうだ、元ダメンズハンターの私よ、安定を選ぶのも悪くないだろ。