小学生の私へ。
友達や親との関係に悩みながらも、逞しく生きてくれてありがとう。あなたが小学生の時に、人と仲良くなるヒントを見つけてくれたお陰で、社会人の今の私には大切な友人がたくさんいて、会社でもそつなく人間関係を築くことができています。

上手くやる方法は身に着けた。でも、親の価値観からは逃れられず

でも、謝りたい事が1つ。小学生のあなたは親との関係に悩み苦しんでいると思いますが、約15年経った今でもあまり変わりません。人とそれなりに上手くやっていく方法を身に着けたので、親ともそれなりの距離感で良好に過ごすことはできていますが、親の価値観からは逃れることができず、大事な場面でいつも自分の心の声ではなく、親の声をきいてしまう自分がいます。

中学生、高校生の私へ。
様々な人の意見を受け入れる柔軟性、自分の意見を恐れずに発言する勇気、自分で考え感じて言語化する能力を身に着けてくれてありがとう。あなたが伸び伸び過ごしながら、私の土壌を6年間で築いてくれたお陰で、今の私も肩の力を抜いて生きることができています。

よくも悪くも、私が女であるという自覚を自ら背負って歩いています

でも、謝りたいことが1つ。女子校で楽しい日々を過ごしているあなたは、女性も男性も関係なく平等に、社会を堂々と渡り歩く事ができると信じていますね。残念だけど、社会人になった私は上司や顧客に「いつ結婚するの?結婚したら仕事どうするの?」と問われても、失礼ですよなどは決して言わず、「え~どうしましょうね、考え中です」などと笑顔で返答しています。総合職として働いているので、肩書は男性と同じで、一応任される業務に不平等感はありません。でも私自身、おじさん上司やお客さんに対してうまく女性を使えるもんなら使いたい!という気持ちをもっています。いつのまにか、よくも悪くも、私が女であるという自覚を自ら背負って歩いています。

大学生の私へ。
バリバリ働く女性に憧れて、いい会社に入ることを目標に過ごしていますね。そのための努力を惜しまず、持ち前の行動力で充実した日々を過ごしてくれてありがとう。あなたは世の中的に“大企業”といわれる会社の一員になることができ、親もすごく喜んでくれますよ。

生活のため仕事をこなしています。楽しいと思えてなくて、ごめんね

でも、謝りたい事が1つ。仕事は楽しいものだと信じて働くことを夢見ていたのに、2年働いても未だに仕事を楽しいと思えたことがありません。会社という組織に入ると、自分自身が思っていたより特別でない事を思い知らされます。学生の時、やりたい事に自由に挑戦できたのは、親のお金である程度自分の環境を整えられていたから。組織はある日突然、理由も大して教えてくれずに、自分の希望とは違う業務内容・ポジションでの仕事を命じる。それに逆らうことなどできず、置かれた場所で咲く事は美しいと自分に信じ込ませて、生活のために目の前の仕事をただひたすらにこなしています。仕事を楽しいと思えてなくて、ごめんね。

今の私へ。
これまでそれなりの夢をもって、そこそこの努力をして、まっすぐに生きてきてくれてありがとう。この25年間の道のりは、振り返るとどの出来事も選択も意味があったと感じる事ができるし、自分の道を好きになれる自己肯定感もちゃんと握りしめて生きています。だから親の価値観や、女性である自覚や、組織の一つの駒という事実に押しつぶされずに、今の自分が楽しいと思える選択をし続けて下さい。

未来の自分が今の自分に謝らなくていいように。でももし未来の私が、今の私に謝ることがあったとしても、未来のあなたを恨むことはありません。だからどうか、恐れずに、自分の羽で思いっきり羽ばたいて下さい。