#05 名義変更手続きのあれこれ
こんにちは、前回の話を書いた後に「妻氏婚(つまうじこん)」という言葉を知ったどさんこつくしです。
つい先日、妻側の名字にすることを選んだ芸能人に対して、“実は婿入りしていた!”と書いている大手メディアの記事を見掛け、「名字を変えただけなら別に婿入りじゃないよなあ…」とモヤモヤしていました。そもそも同じ法律婚なのに、妻の名字を選択した場合にだけ名前がついているのが不思議ですよね。
「経験者」の妻から教えてもらいながら、いざ名義変更の旅へ
さて今回は、法律婚とは切っても切り離せない「名義変更手続きのあれこれ」について書いていきます。
昨年、名義変更のポイントや手続きの順番をまとめたものをツイートしたところ、2000RTほどの反応をもらったことがありました。
婚姻届提出後の手続きについて「日数と費用をまとめたものが欲しい」と言ってくれる方が居たので、自分の場合の流れと感じたことを画像にまとめてみました。
— どさんこつくし🐮CHOICE発売中 (@DosankoTsukushi) June 24, 2020
手続きに掛かった日数: 約1週間
手続きに掛かった費用:約¥13,500
結婚を考える方々の参考になれば幸いです。
※かなり個人差はあると思う pic.twitter.com/mHT4EsPQkH
リプライと引用RTには、他の方の体験談やアドバイスが多く寄せられてとても勉強になった一方、非協力的なパートナーへの怒りの声も届き、改姓する側とそうでない側の意識に大きな差があるということを改めて感じることになりました。
学校で習うことはなく、親から教えてもらえるわけでもないけれど、法律婚をすればほぼ必ず行う名義変更。ほとんどの方が改姓することになってからはじめて、手続きについて調べ始めると思います。
実際僕も、妻の姓になることが決まってから色々と知り始めたクチです。
どの日に行くのか、何を準備するのか、どこへ行く必要があるのか、右も左も分からなかったところを、名義変更の経験者である妻に色々と教えてもらいながら調べていきました。
そして、いよいよ明日、手続きに出かけようとしていたところ、新しい名字の印鑑を用意し忘れていることが発覚。注文して翌日に受け取れるお店が近くにあって助かりました。これから手続きする人は、早めに注文することをオススメします。
そんなこんなでツアー決行まで準備を重ね、ついに当日を迎えました。いざ参る。
手続きとは、あちこちを回り、ひたすら待ち続けること
名義変更とは何か?
それは、カード類の名前を変更するために、役所や警察署などを延々と巡る「苦行」でした。
巡る先では、窓口の順番が来るまで永遠に待ち続けます。
「この待ち時間を換算するといくら稼げるんだろう」と考え始めてしまうほど待ち続けるのです。
もう「名義変更イコール待ち続ける行為」と言っても過言ではないです。本当にしんどい。
名義変更は役所で婚姻届を提出するところから始まるのですが、初めて見る婚姻届は想像よりペラペラで、「こんなペラ紙が法的な証明書になるんか…」と思っていました。
そして僕がこのツアーで最も待ち続けたのが、マイナンバーカードです。
「身分証明書として使えるし、役所内で手続きできるし」と窓口に並び始めたが最後、1時間半以上待っても呼ばれず、あまりの待ち時間に途中でお昼を食べに外出するほどでした。予定では他の場所も回るはずだったものの、結局そこで1日が終わる羽目に。これを初見で計画通りに進めるの、難しすぎる。
その他で面倒だったのが、パスポートと看護師免許の手続き。
パスポートの手続きでは、必要書類と併せて6,000円取られる上、再びパスポートセンターまで取りに行かなければなりません。
私が住んでいる県のウェブサイトでは、土日祝日をのぞいて6~8日ほどで受け取れるとされていますが、僕が手続きした際は2週間かかると言われました。
看護師免許に至っては「4ヶ月後くらいに役所へ取りに来てね」と言われ大人しく待っていたところ、完了のお知らせが届いたのは半年以上経ってからです。役所の人たちが毎日忙しくしているのは重々承知だけど、どっちの手続きももう絶対やりたくない…!!
そのほかの細々した手続きを除けば、計3日ほど掛かって僕の名義変更ツアーは幕を閉じました。事前に妻と予定していた通りの日程で済みました。
このつらい作業をパートナーと分担できれば
想像以上にお金と時間の掛かる名義変更ですが、実際にやってみたことでいくつか攻略ポイントがあることも分かってきます。
僕は役所、警察署、銀行、パスポートセンター等々を渡り歩いたのですが、地域によってはこれらの建物がとんでもなく離れた距離で点在している場合もあるため、それぞれの営業時間を調べた上で、あらかじめルートを決めておくとスムーズに移動できそうです。
さらに無限大にある待ち時間を使って、web・アプリで手続きが可能なカード類や、通販サイト等の各種サービスを片っ端から名義変更していくのもかなりオススメです。
付き添ってくれている妻が横でYouTube向けの動画編集を行っている傍らで、僕は思い当たるサービスを片っ端から処理するべく無心でスマホを叩きまくっていました。
また、これは銀行口座の手続きを調べているときに妻から教えてもらったのですが、改姓による銀行印や印鑑登録の手続きを避けるため、名字ではなく名前の印鑑を使われている方も多いそうです。
今回の経験を経て、僕も自分に子供ができたら名前の印鑑をプレゼントしようと心に誓いました。皆さんもぜひ。
そのほか、手続きのチェックリストもネット上に色々転がっているので、それらのツールを活用しつつ、平日の午前中から動き出せるのがベストかなと思います。
あとはパートナーが当日まで一緒に準備をしてくれたり、ツアー時に同行してくれると心が折れずに済むことが多そうです。
名義変更で辛いのは、ここまで書いた内容を当人のみが強いられる非対称性にもあると思います。可能なところはパートナーと分担できれば、それだけで気持ちがとても楽。というか主体性を持って調べてくれるだけで心持ちが全く違う。
僕の名義変更ツアーが準備していた日程で終わったのは、同行してくれた妻のおかげです。
予定通りに進まない大量の手続きを一人でこなすifルートは、想像するだけで鳥肌が立ちます。
こんなイベントを一人で終わらせたことのある人は本当にすごいです。盛大な拍手。
これを読んでくれた方は、ぜひ身近に居る名義変更ツーリストをねぎらってあげてくださいね。
今回この話を書くにあたり手続きした頃のことを振り返っていたのですが、思い返せば思い返すほど「こんなに時間やお金を掛けてまで、どちらかが心理的な負担や社会的な損失を受けてまで、同姓にする必要ある?」という気持ちが大きくなるばかりでした。もう選択的夫婦別姓で良くないですか…?
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“性の話をもっと気軽にオープンに"をテーマに、 性にまつわる様々な情報を発信する助産師の性教育YouTuberシオリーヌ。 身体の仕組み、感情や欲求との向き合い方、大切な人との付き合い方、自立について… 学校でも、社会に出ても誰からも教わることができない「性」にまつわるあらゆる問いに、 真剣に向き合い、具体的な知識を伝えるための一冊です。