自分が両親の愛の結晶だなんて思わなかった。ある写真を見つけるまでは。

私が2歳になる前に、二人は離婚した。
私は父を覚えていない。二人がどんな夫婦だったかを知らない。母は父についてあまり話さなかった。
でも、それこそが答えな気がした。好きの反対は無関心である。
そして思う。少なくとも今、私は二人の愛の結晶なんかではないのだ。別に悲しくもないけれど。

ある日、写真を見つけた。私が生まれる前の年の写真だった。
サンタクロース姿の父が、母の頬にキスをして幸せそうに笑い合っていた。
恋する乙女の顔をした女性。優しい目をした男性。
あの年、母にはサンタがいたのだ。

なぜか、胸がじんわり温かくなった。