先日、入社1年目の頃に研修で一緒だった2人の同期と飲みに行った。
新卒で入社した会社では、入社してから半年間、研修期間が設けられていた。研修先は配属先とは別の事務所で、社員寮生活をしていた。部屋の行き来は割と自由で、料理好きの人の部屋によく集まって、夜ごはんをいただいていた。
今回飲みに行った2人はその部屋で出会った。何度かご飯を一緒に食べる中で、仲良くなった。

研修から6年経った今、2人との関係はどうなっているかというと、1人は2年前に再会し、今もたまに飲みに行く仲だ。 もう1人とは5年ぶりに会った。
この3人が飲みに行くきっかけは、2年前に再会した同期が、もう1人の同期に私と飲み友達であるということを伝えたところ、3人で飲もうという流れになったのだ
入社してから6年も経てば お互い状況が変わっているものだ。そう思っていたのだけれども私は相変わらず独身で、住んでいる場所も変わらない。 2人まだ独身だが、同棲している人と、もう1人は最近彼女ができたと言っていた。
それを聞いて2人とも前に進んでるんだなと思い、私だけが 6年前に取り残されているような寂しい気持ちになった。

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3人で話していると、自然と研修の時の思い出話に花が咲いた。そして、6年も経つと会社に馴染んでくるので部署は違うけれども、会社あるあるで盛り上がった。
研修のときの私のルームメイトだった友達が、最近結婚したことを伝えると、2人ともダメージを受けていた。当時1年目の中でのアイドルであり、マドンナ的存在であったのであるが、今も変わらずアイドルであることが、なんだか羨ましかった。

ひょんなことから、2次会でカラオケに行くこととなった。
私は歌が上手でないし、人前で歌うことが苦手なので、できるだけカラオケに行くことは避けている。しかし、久しぶりに会った同期というところで気持ちが緩んでいた。
同期の前ですら歌えないのではどうするのだ、と自分を奮い立たせた。部署の飲み会でも歌って問題なさそうなくらい上手に歌えてるか、みんな知ってそうな曲かどうかを2人に聞いてもらった。
2人は私の歌に耳を傾けてくれ、歌に合わせてちょっと振り付けを踊るだけでとても喜んでくれた。1人が私の歌に合いの手を入れようとすると、もう1人が止めていた。私の歌を聞いているそうで邪魔をするなと言っていておかしかった。

その時、私もこの2人にとってはアイドルなんだと思った。
2人は6年前と変わらず、下の名前をちゃん付けで呼んでくれ、久しぶりにむず痒い感覚を味わった。他の2人は私が結婚しても寂しがってくれるのかなとふと気になり、肩を組んで歌っている2人を見て、絶対寂しがるけれどもたくさんおめでとうと言ってくれ、応援してくれると思った。

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新卒の頃の友達は大事にした方がいいと先輩が言っていたが、6年目にしてこういうことなのかと思った。

6年前の春に戻ったら、いろんな人と仲良くなっておいた方がいいよと自分に言い聞かせたい。贅沢を言えば、6年も一緒の会社にいるのだから、1年目の頃にもっとコミュニティを広げておけば、今がもっと楽しいかもよとも付け加えたい。

そして、ルームメイトだけがみんなのアイドルではなくて、私も憧れられているんだよ。だから惨めな気持ちになる必要はないよ、とも伝えたい。