小学生で封印した思いが社会人になり開花。私はピンクが好きだ

女の子は大抵ピンクが好きだ。
こういう言葉は今の時代にはそぐわないかもしれない。ピンクが嫌いな女性には不快な思いをさせてしまうかもしれない。しかし誤解しないでいただきたいのは、ピンクが嫌いな女性がいてもいいし、逆にピンクが好きな男性も沢山いる。時代と共に、今までマイノリティとされていた考えが普通になったのは、とても素敵なことだと思う。
だが、平成生まれの私は心のどこかで言っている。私の中の「女の子」が叫んでいる。ピンクが好きだと。
とはいえ昔からピンク好きを自覚していた訳ではなかった。
幼稚園のお絵描きの時間は、ピンクのクレヨンをよく使っていた。が、ピンクばかり無くなるのは他の色に失礼な気がして、意識して他の色を使っていた。その頃から謎の平等主義、平和主義の持ち主だった。折り紙を選ぶのにも、ピンクばかり人気では、他の色を用意してくれた先生に申し訳ないと思っていた。そんな風にピンクから遠ざかっていたら、他の色が好きになっていた。どの色も素敵で、どれが一番好きかなんて選べなかった。
小学生になると、さらにピンクから遠ざかった。「ピンクが好きなのは子供っぽい、恥ずかしい」という時期に突入したからだ。
私がピンクが好きと自覚したのは、社会人になってからだった。
いつもお洒落に気を使って、可愛らしい身なりの先輩がいた。その先輩がメイク直しをしているところに出くわしたときのことだった。
「あ、それって新作のリップですよね?」
私も気になっていたブランドのリップだったので、思わず声をかけた。
「うん、これすごく使いやすいよ」
「私も気になってるんですけど、どの色にするか迷ってるんですよね」
すると先輩は、私の顔をしばらくまじまじと見つめた。
「うーん、ピンクかな」
その一言で、私はすぐさまピンクのリップを買った。そしてそのリップをつけて、翌日出社した。
すると先輩はすぐに気づいて、「今日のリップ可愛いね」と言ってくれた。可愛い先輩に可愛いと言われ、本当に嬉しかった。
それからというものの、ピンクのリップに似合うようにピンクのアイシャドウ、ピンクのチークと買い足していき、すっかりピンクの虜になってしまった。
ピンクにハマると、ピンクの奥深さに気づく。ピンクの中でも青っぽいピンクや赤みの強いピンク、くすみピンクがあったり、質感によってもピンクが与える印象は変わってくる。さらには一緒に合わせる色によっても違う。ピンクのアイシャドウには、アイラインは黒か茶色か? ピンクのワンピースには、アクセサリーはゴールドかシルバーか? 沢山試行錯誤しながら、気分によって変えながら身に纏うピンクは、とても楽しい。
現在24歳の私は、10代のときと同じようなピンクの纏い方はできないと感じている。これからどんどん変わっていくだろう。それでもその時に合わせたピンクを身に纏い続けたい。これから変わり続けるピンクを楽しんでいきたい。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
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