過去に投稿されたエッセイの中から、投稿者の推しエッセイを紹介する6周年企画。「伝えてくれてありがとう」と投稿者に感謝を伝えるものや、「母を大切にしようと思った」など自分の体験に重ねあわせている声もたくさん寄せられました。本日は後編です。前編はこちら

資格をいくつも取って、娘のために行動してくれたママ、幸せだったかな(藤 桃子)

てんこもりサーモン丼ちゃんさんからの推薦コメント:さみしくて切なくて辛いのに、綺麗なものを眺めている気持ちになる文章。じわっと涙が滲んで、心が絞られるような痛みを感じるのに強く惹きつけられて何回も読んでしまいました。

毎週1本エッセイを書いて得た収穫。どうせなら精神は高く伸びていく(ひなたのさくら)

モモナさんからの推薦コメント:このエッセイを読んで、""今""を変えたいと思っていた私は「かがみよかがみ」の投稿テーマに全て応募してみようと動き出しました。私にとって、全ての始まりです。ありがとうございます。

わんわんと泣く母が作る食事は、味のない料理と60円のコロッケだった(焼き茄子)

水芭蕉さんからの推薦コメント:焼き茄子さんのエッセイに自分の似たような家庭環境が重なり、自分の育った過去を振り返って思わず苦しくなった時に彼女のエッセイを読んで、「自分を自分を元気づけよう」と何度も読み返しては力をもらっていました。自分の足で自分の人生を歩んでいる焼き茄子さんのようになれるように私も逞しく人生を生き抜こうと思います。

視力も考え方も近眼だったから、まさか人生が一直線だなんて思わず(すずらんこ)

まささんからの推薦コメント:先生の言葉が、心の花にも、水のように、肥料のように染み込んでいく。この作品を読んで私の心にも染みました。世の中の悩めるみなさんに、読んでいただきたいと思います。

「家政婦なんかじゃない」。かつて私が見下していた母は強かった(紫吹はる)

みくまゆたんさんからの推薦コメント:うちも専業主婦の母をみて「働きたい」と思ったりしていたけど、自分が大人になって結婚してやっと、料理を作る大変さを知りました。家事も育児も見えづらいけど、立派な仕事。母を改めて大切にしようと思える、素敵なエッセイでした。

フィンランドの森で深呼吸した夏。また歩き出せる気がした(翔子)

芦田みのりさんからの推薦コメント:涼しげで、青空と森が想像できて爽やかで、誠実に言葉を選んだ文章が読んでいて心地よかったです。文中にある誰でも自由に森に入り森のものを取っても良いという「自然享受権」という考え方は知らなかったので新しく感じました。私は自然の中にいるのが好きなので、「森、BBQ、サウナ、湖、ハイキングがセットになっている」と表現にもフィンランドの生活圏の広さを感じ、心惹かれました。日本でサウナだけ真似して「整った」と言っているのでは足りないのですね。いつかフィンランドを旅してこの文章と同じことを体験してみたい、本物に触れてみたいという気持ちにさせてくれた作品です。

教師を退職した先生が出版した本が教えてくれた「全部やる」大切さ(ももりん)

シオノミサキさんからの推薦コメント:タイトルの「全部やる」の言葉が響きました。選択に迷う時、あれか、これ。これか、それ。だと思っていましたが、「全部やる」は学生時代に、社会人になっても聞くことがなかった。必ず選択しなければならない、と思っていた。20代なら時間はいくらでもある、と今なら思えるが、こういうことを、親を含め、人生の先輩に語られたかった。

3月11日、地元は津波に飲まれた。現実逃避していた私が今言えること(葉々)

ひなたのさくらさんからの推薦コメントはじめて読んだ日から、何度も感想をつぶやこうとしては言葉にできずにいます。あの日、当たり前の日常を過ごしていた人たちが災害に巻き込まれたこと。災害大国で暮らすうえで他人事とは思えず、読み返すたびに恐ろしく、気が引き締まる思いです。地震直後の緊張感のない会話やその後の惨状など、当時の様子がありありと伝わってくる描写に、この出来事を書けるようになるまでにどれだけの痛みがあっただろうと胸が痛みます。伝えてくださって、ありがとうございます。
記者になられ、震災関連の企画を担当されているとの記載には、経験と仕事の結びつけ方の難しさも感じます。著者の方の担当経緯は分かりませんが、「自分が苦労した分同じ思いをしている人を助けたい」というモチベーションで職業選択をし、その結果自分の古傷と向き合い続けなければならない人もいるのではないかと…。少しずつでも心のケアが進み、心身ともにご健康で過ごされていることを願っています。

以上、推しエッセイ発表後編でした。
誰かの言葉や体験が、他の誰かに力を与える、そんな素敵な循環がかがみよかがみでおきていることを、編集部一同うれしく思います。素敵な推薦文をありがとうございました。
今回ご紹介できなかったエッセイも、きっと誰かの心に届き、灯りとなっているはずです。
6周年企画としての推しエッセイ発表はこの後編で終了ですが、推薦し損ねた!という方は、ぜひX(旧Twitter)でもエッセイの感想をお待ちしております。